「星下之宴」綾乃様のあとがき

「胡蝶の夢」をお訪ねの皆様、こんにちは。
綾乃@某宇宙図書館・企画協力者、でございます。

「あのぉ。頭の中でぼそぼそ考えてた話なんですけど…」
酒飲んでる話です、と言うので「是非、読む!」と言って読ませていただきました。

 ポトスくんにしては珍しい筆致の話だな、と思われませんでした?
 リズムとね。文体が違う…と思いながらも、あぁこれは本当は、とても彼女らしい話なんだと思ったのです。
 それはとりあえず置いておいて、まずは、"古代守"ですよ!

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 実はワタクシ、筆者の書くところの古代守が、大好きでございます。
 大好き、という意味では、自分で書いたり書こうとしている古代守像、というのはありますし、それも好きで(あんまりズレてないとは思うんですけどね、此処と)すけれども、この「古代守@by pothos」には、“口説かれたら惚れ”ます。えぇ。
 だいたい、守にーさんみたいなタイプは、友人に持つなら"最高の男"ですが、彼氏やダンナにするもんじゃありません。
 少なくとも私の好みじゃないっす。それは、彼が"長男体質"で、"生まれながらの指揮官"みたいなヤツだからかもしれないし、作中にもあるように"男同士の付き合いをすればそりゃもう心底惚れます"っじゃないとツマラナイんじゃないかと思うんですわ。
 でも、この古代守、良いっす♪

 オリジナル・キャラの女性航海士がとてもよい。
「名前、懲りすぎなんじゃないの?」と言ったら、"神在"という姓は、彼女の第二の故郷・出雲にはよくある苗字なのだそうです。うん、茉莉花さんには似合ってるな。
 骨太で、たくましく、やさしくて。男らしい、いや女の中の女、って感じ。旧き善き大和撫子ですね、ある意味。

 短い話なのに物語運びがとてもよくて、じわっと来ました。
 こいつは誰? へ? 女なのか!? だけどあぁそうか、こういうやつか。と思って不退転の決意を共有したところで、訓練学校時代へ戻る。
 この「酒を呑むシーン」がいいんです。"一升瓶を片手で持つ"これっすよ、これ。

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 長く彼女の作品を読んできたのに、ここに至るまで気づかなかった自分が迂闊。
 あぁそうだったのか…と初めて合点がいったことがありました。
 それが最初の"彼女らしい話"につながります。
 それは、真田ファンの創作者たちに共通のもののようにも思えてきました。…どうして「オヤジ趣味」になっちゃうかも。

 つまりね。私たち古代進や島大介や加藤三郎や…というキャラ萌えやヤマトそのものに血沸き肉踊るタイプの人間とは視点が違う、、、彼らって10歳程度年上なんですよね。だから、【ヤマト以前の世界】の住人なのです。
 確かに真田志郎という人は、ヤマトで人生が変わり、その後の地球を担って、復活篇でなんて凄い重職にあったりする。
 しかして、彼はやっぱり"ヤマト以前"の人間で、ガミラス以前に訓練を受け、宇宙に出る力をつけ、その時代に生きようとしていた人々なんですね。…そう思ってみると、他のサイト様の作品なんかも、どことなく共通項が見えてくる。

 ポトスさんの古代守像にはそういう立場があり、真田志郎にもそういう"若き日"、アニメで描かれる古代や島と同年代の時代があって、それがどんな夢を持ち、どんな風に生きようとしていたか、がベースに感じられるんです。
 それは作者が"その時代の"生を生きようとしているからじゃないか、これは私たちとは大きな違いなんですね。
 柚香の物語にせよ、真田志郎本人にしても。そうして(どうやら圧倒的にエコ贔屓されているらしい)幕之内さんにしても。
 だから、彼らはとても若く、生き生きしている。

 だからこそ、ヤマトの時代に「それが引きちぎられて」突然、終わってしまったり変えさせられたことへの愛惜があります。
 だからこそ、それを乗り越えていく強さも、かなぁ。

 庭で飲んでいて交わす言葉の一つ一つがいいなぁと思って読みました。
 真田さんについて語る2人の深い洞察と友情。それを受けて死の間際にも語られた艦橋での会話。
 それはひいては書き手の真田さん=運命を背負ってしまった男 への愛情と洞察なんだろうと思います。

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 えぇ話でした。
 皆さまとご一緒に、このお話を楽しめた(ですよね?)ことを感謝します。
 よろしければ、一言でもご感想を送ってあげてくださいましね。励みになると思います♪
 ではでは。

2010年7月
−−綾乃・拝

 PS 守が"ハーロック"してたことは、ここだけのナイショということにしておきましょう。でないと、また某N氏の怒りを買って、再登場できなくなりますからね(笑)

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